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闇金体験(第4回)中学校の国語教師



国語の時間

この方は、中学校の先生でどこかのクラスを担任をしています。

国語が担当の独身男性が闇金の体験談を語って頂きました。

国語の先生と言う事もあり、分かりやすく要点をまとめてくれていると思います。

中学校の国語教師が体験した闇金

  1. 初めての
  2. 返すために借りる
  3. 初めての電話営業
  4. 膨らむ借入、そして追い込み
  5. 覚悟を決める
  6. 結局、繰り返し
  7. コメントする

初めての闇金

初めて

自分が「闇金」と初めてつきあうようになったのは、2004年頃でした。

その頃既に、大手中小消費者金融、クレジットカードなどからかなり借りていて、なかなか新たに貸してくれるような業者もない状態になっており、もう藁をも縋る思いでした。

といっても、最初からそこが「闇金」とわかっていたわけではありません

事の経緯は、あるメルマガからでした。

それまで聞いたことのない消費者金融会社のURLが載っており、アクセスしてみるとなかなかしっかりした作りになっているので、これは信用できると思わされました。

それまで、そのようなメルマガでいくつかのURLをクリックしたことはありましたが、たいてい安っぽい作りの、いかにも急に作ったようなサイトばかりだったので、「ここで通ればいいな」くらいのつもりで申込みページをクリックし、フォームに従って入力しました。

翌日、その会社から携帯に電話が入りました。

「お貸しできますよ」

これはしめた、と思ったのですが、「来店してください」とのこと。

仕事の都合上、その店が営業している時間までに指定された場所に着くことは難しかったので、仕方なく一度は断りましたが、やはりやりくりはつかず、結局仕事を半休にして向かうことになりました。

会社の場所は「神田」。

当時のこの街は表裏取り混ぜて中小の金融会社がたくさん蠢いていた時代で、自分が向かった店は駅前のビルの中にあり、中のようすは割とこぎれいだったものの簡素で、運搬に手間のかかるような物は置いていないような状態でした。

その席で、割と恰幅のよい、スーツ姿の男性に担当をしてもらいましたが、その方は自分のデータを取り、一度裏に消えたあとで、おもむろに「うちは闇金融ですよ」と切り出してきました。

それまでそのような所から借入をしたことのない自分は、当然訳がわからず、ただ相槌を打つだけでしたが、金利の説明を聞いて「これはまずい」と思うようになりました。

最初の人からは10日で3割、付き合いが長くなればもっと下げてもいいけど」

今はどうしても必要なので借りないわけにはいかない、けどすぐにでも返さないと怖いことになる、ということで、ちょうど約束の日が給料日だったこともあり、1回ですべて返すつもりで10万を借り入れることにしました。

そして、その場で借用書などを書いたのですが、説明と違って29.2%で書かされたり、領収書が実際に借り入れる額よりも多く(実際の額+利息分)記入させられたり、契約書の控えをもらえなかったり、と、これらはすべてその会社を出てから不思議に思ったことなのですが、それまでこのような付き合いのなかった自分にしてみれば、とにかく訳がわからず言われるがままでした。

そして、約束の日、郵便局より13万を送金し、電話で連絡をしました。「また何かありましたら連絡くださいね」ということで、最初の付き合いは終わりました。

返すために借りる

今思えば、この時点で、少しでも怖いと感じたのだからやめておけばよかったのでしょうが、そこでやめられるようだったらこの時点での自分はいなかったのです。

結局、また手元不如意になり、同じ会社に電話をしました。

そして来店。

今度は、書類を書いた10分ほどで、また同じ金額を借りられました。

しかも今度は金利を下げてくれて、10日で2割5分

また1度で完済すればいいや、位にしか考えていませんでしたが、今度は約束の日は給料日ではなかったのに、どうやって返そうと思っていたのでしょうか。

今考えればどうなるか分かり切ったことだったのに、その時は「目先が何とかなればいい」としか思っていなかったのです。

結局、この考えが、自分を地獄に落としていく訳なのですが。

返済日を考えると苦痛

約束の日です。

当然工面などできていません。

「どうしようか」と焦る反面、「一日くらいなら待ってくれるだろう」と、他の、表の消費者金融と同じように甘く考え、結局その日は連絡もしませんでした。

夕方になって、一度携帯にその会社から「連絡をください」と留守電が入っていたものの、結局その日はそれきりで、何とかなったのかなぁ、と思いつつ、やはりそのままにしておくのは怖かったので、 次の日は、休みを取って神田に出かけ、同じような店で何とか工面しようと思いました。

次の日。

朝からその会社から何度も着信が入りました。

何度目かに、恐る恐る電話に出て、とにかく謝り、昼くらいまでに払いに行く、と伝えました。

相手は怒鳴るわけでもなく、ただ静かに、けどきつめの口調で「わかりました」...

これがかえって恐怖を増長させました。

スポーツ新聞を買い、その金融会社の広告欄から、神田にある店を探し、電話をし、受付をしてもらって、「これから行く」と伝えました。

こうして、結局この日は、最初の店は完済をした(上乗せは少しで済みました)ものの、2社から借入をしてしまいました。

そうしてその2社との約束の日。

今度は、また最初の店に電話をし、同じだけ借りて、その2社には完済をせず、金利だけ支払うという、いわゆる「ジャンプ」を初めて実行しました。

これにより、あっという間に闇金融からの借入が3社、30万(元金)になったわけです。

「いつかは返せるだろう」という、根拠もない安直な考えでしかありませんでした。

この3社のサイクルが微妙にずれていた(10日、11日、15日)のも、「何とかなる」と思ってしまっていた根拠の一つでした。

初めての電話営業

簡単電話一本

そのうち、合間を見ては神田に行き、借入を増やしていました。

給料日などはもちろん神田に行かなくても支払いはできましたが、いっぺんに払うのはきついから、とジャンプばかりを繰り返し、表への返済もしつつ闇金融への支払いも続ける、という感じでした。

こうした中、出張と支払日が重なり、しかも支払うには、手持ちが足りない、神田にもいけない、さあどうしよう、という事態になりました。

とりあえず、午前中にその会社に相談の電話を入れました。

「それは困る、とりあえずまだ時間はあるから、どうにかして金策してみてくれ」と言われました。

金策と言っても、道端に大金でも落ちていれば別ですが、そういうことは当然あるはずがなく、途方に暮れながら出張のため移動をしていました。

その時、携帯に見知らぬ電話番号から着信が入りました。

不思議に思って出てみると、「お困りですか?貸しますよ。10万くらいどうです?」という電話でした。

ちょうど困っていたところだったので、深く考えず、渡りに舟、とばかりに「お願いします」と答え、結局その日は支払いも何とかなりました。

今にして思えば、その日支払いだった会社が、自分に電話をするように同業者に働きかけをしたのでしょうね。

この電話営業に対しては、それまで店頭では必ず行っていたような、書類の取り交わしも、身分証の提出(FAXなど)も一切なく、ただ電話のやりとりだけで、お金が自分の口座に振り込まれていたので、これにも味を占めてしまったわけです。

膨らむ借入、そして追い込み

その後は、もう坂を転がり落ちる岩石のごとく、借入が勢いづいて増えていくばかりでした。

まず、それまで金利はせいぜい1週間で3割程度だったのですが、その頃来だした電話営業では1週間に10割、しかも額は2万程度と少額になってきました。

そして、どこが情報を流したのか、待っていても携帯が勝手になり、出ると「ご融資のご案内です」ということで、ちょうど支払いに追われていたところだったので、 どんどんと「お願いします」を繰り返しました。

こうして、ピーク時には約40社からの借入をしていました。

すべて携帯の電話帳に登録をし、いくら借りたか、サイクルはいつか、直近の支払日はいつか、と言うことをメモしていました。

もはや、自分の記憶だけでは追いつかなくなっていたのです。

やがて、最初は1週間で、と言っておきながら、振込をしたあとで「やはり2日サイクルで」という業者が現れました。

この業者はかなり悪質で、「完済手続きをするなら○時までに電話をしなきゃ受け付けられないからね」と言っておきながら、 その時間に合わせて電話をしても絶対に電話には出ず、約束の時間を数分過ぎてから向こうから電話してくる、と言うパターンでした。

また、「追加融資」と言うことで、「もう一口、返済日をずらして貸すよ」という業者も現れました。

このように、業者の数だけではなく、1社当たりの借入額も増えていったのです。

そうして、とうとう支払いが難しくなってきました。

そんなある日、なかなか支払えず、しかも外回りをしなくてはならないので終わるまでそのことを電話で伝えることもできない、という状況になりました。

外回りをしている時、電波状況が非常に悪く、1時間ほど不通状態になってしまったのですが、電波が通じる状態になってから留守電をチェックすると「30件です」...

支払いが追いつかない状態で冷静な判断ができない

この1時間ほどでの数にも驚きましたが、これがほとんど同じ業者からだというのもすごかったです。

どうやらその業者の持っている回線をいくつも駆使しての仕業だったらしく、内容は脅しでも何でもなく、ただひたすら「連絡ください、電話番号は...」

だったのですが、何人もの声で間髪入れずに行われており、かえって恐怖心をあおられました。

聞き終わるまで電話をすることもできず、終わってから電話をして、上乗せをしてその時の有り金全部を支払わされました。

職場に戻ると、自分の机の上は「○○さんから電話」というメモでいっぱいでした。

合間に職場にも電話をしていたわけです。

覚悟を決める

債務が増える毎日

こうした状況は、毎日悪化しました。

今日の支払額はいくらだ、計算をするとこうだから、今手持ちはどうだから、電話来ないかな、それとも神田をうろついて業者に飛び込んでみるか、という感じで、仕事ももはや手につかない状況でした。

唯一、土日はどこの支払いもなく、どこからも電話が来ないので、現実逃避するかのように一息ついていました。

やがてある日、初めて闇金に手を出してから半年くらいでしょうか、今週の支払額を計算して唖然としました。

今日30万

まったくあてはないから借入を増やさなくてはいけない、そうして明日は10万

これも同じ、...と考えると、今週は100万くらい払わなくちゃいけないじゃないか...

この時点で、ようやく「もうダメだ」と思いました。

また職場に電話されてしまう...

仕事もままならない...

このままじゃ破滅だ...

今までこのような身から出た錆を恥と思って、誰にも相談できずにいましたが、とうとう思いあまって、上司数人に相談をしました。

やがてその紹介で、弁護士を紹介され、債務整理をすることになりました。

その弁護士はかなり切れ者のようで、相談に行ったその場で自分から相手の電話番号を聞いて、相手に電話をし、半ば相手を嘲笑するような形で交渉を進めてみせました。

こうして、弁護士に委任して、解決を図りましたが、その最初の日は職場への電話がものすごかったようです。

「ようです」というのは、自分は半ば強制的に休まされたのですが、その時居合わせた他の方からの話です。

それも不思議なもので、10時くらいから始まり、16時過ぎると落ち着く、という感じだったそうです。

2、3日もその状況は続いたでしょうか。

やがて、交渉が進むにつれ、和解したり、あるいは逃げたりする業者が増え、1週間もすると、電話攻勢はぴたりと収まりました。

この電話攻勢は、自分の携帯や家にはそれほどではなく、職場中心で攻撃するパターンがほとんどでした。

そのうちに、業者からの電話もすっかりなくなり、債務整理は終了しました。

この時、弁護士から「あなたみたいな人はまた繰り返すパターンだから、気をつけないと」と言われました。

その時はもう散々懲りていたので、「そんなはずはありません」と一笑に付したのでした。

結局、繰り返し

その債務整理の時、表の消費者金融も一緒に整理をしました。

結果、大手では貸してくれるところはなくなったのですが、急な必要時などに債務整理後でも貸してくれるような消費者金融から借入を増やし、だんだんとまた回らなくなってきました。

もう携帯電話も換え、営業電話もなくなっていたのですが、どうしようもなくなってまた借りなければ行けない事態に陥った時、結局また闇金の門を叩いてしまいました。

今度はネット上で展開している闇金に申込みをし、やはりボーナスに合わせて一括返済をするつもりでいました。

債務整理後、2年後でした。

その時はその思惑通りに完済をしたのですが、結局また同じ業者に借入をし、やがて返済のために業者を増やし、また来だした営業電話に応じ、ということで、気づけば10社を超えていました。

今度は世相のせいでしょうか、営業電話はひっきりなしではなく、そんな状態でも1件も来ない日もありました。

それでもそこまで増やしてしまいました。

そうしてどうにもならなくなり、結局また同じ弁護士のところに行きました。

弁護士の第一声は「よくあなたに貸してくれるところがあったねぇ」...

結局同じ轍を踏んでしまった自分には、もはや反省するしかない状況でした。

こうして、また職場に迷惑をかけながら、債務整理を進めました。

今現在は同じ轍を踏まないよう、自分自身気を張っています。

が、少しでもゆるんだ時にどうなるか...

もう次はないでしょう。

すべてを失うだけです。

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